「武器より一冊の本を下さい(少女マララ・ユスフザイの祈り)」ヴィヴィアナ・マッツァ著 横山千里 訳 (金の星社)
女子だって勉強したいとブログで訴えたためにタリバンに銃撃された少女の話です。
あいかわらず「スマホで金儲け」とか「モテるために」みたいな本ばかり読んでいる私ですが、せめて新年の1発目くらいは、何か大切な事を考える本など紹介したいと思います。
パキスタンの少女マララの住む地域でタリバンの勢力が増してきます。
「1月15日から少女は学校に行ってはならない。背いた者の保護者およびその者の所属する学校が責任を取るものとする」
という布告がなされます。
これは冗談ではなく、前年には女子が登校したという理由だけで150もの学校が破壊されたそうです。
それどころか、結婚式などでダンスを披露する事を生業とする女の人は、それだけの理由で殺されました。
男も女も、タリバンの意にそぐわない者は殺され続けます。
マララはグル・マカイというブログネームで自分たちの権利を奪わないようブログで訴え、テレビのドキュメンタリー番組にも出演。
そして政府の介入によりタリバンが去ると、政治家を目指すようになります。
「教育に特化した政府を作りたい」
しかし目立つ者こそテロリストの標的にもなる。
通学のバス内でマララは銃撃を受けてしまいます。
奇跡的に命を取りとめたマララは、銃撃されたことにより自分の弱さ・恐怖が消え、強さ勇気が生まれたと言い、前にも増して弱きもの、声なきもののための活動への意思が強くなりました。
以下は、マララの国連での演説の一部です。ほんのさわりだけアップしてみました。
興味のある方は「マララ国連演説」「マララ国連スピーチ」などで検索できますのでどうぞそちらをご覧になって下さい。
【 親愛なる兄弟姉妹のみなさん、私は誰も敵だと思っていません。わたしはあらゆる子供の教育を受ける権利を訴えているのです。タリバンやすべてのテロリスト、過激派の子供たちにも教育を受けてほしいと思っています。
女性と子供は世界各地でさまざまな苦しみを抱えています。貧困、無知、不正、人種主義、そして基本的人権の剥奪は、男性にとっても女性にとっても重要な問題です。
わたしは全世界であらゆる子供に無償の義務教育を与えるよう呼びかけます。
本とペンを手に取り、全世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。それこそわたしたちにとって最も強力な武器だからです。
一人の子供、一人の教師、1冊の本、そして1本のペンが、世界を変えられるのです。
教育以外に解決策はありません。教育こそ最優先です 】